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設計と監理する者

 
 
 
 
 昨日の多少の雨で

 当方のヒペリカムが大分咲きました。

 朝露に濡れた開花を撮影
 
 
 
 

 
 開花したばかりが美しい花です。

 萎んでしまうと茶色に変色・・・これだけがいまいち 
 
 
 
 
 
 
 
  現在進行中の当方の現場横で
  住宅の建設が始まっている。
  この業界に浸りまくっている当方としては、どうしても目に留まるもの
 
  基礎工事
  現在主流となっているベタ基礎
  『ベタ基礎だから大丈夫』
  この言葉あまり過信しては、いけない
  どの様な種類を用いてもそれぞれに合った根拠や施工がないと意味がない。
 
  そういえばこの住宅の現場・・・何か建物建っていたような?
  解体作業が行われれば地面の表層部分は、傷んでいるはず
  ハテナ? 根切り深さが????
 
  基礎が接する地面は、傷ついていない深さに が基本
  特にベタ基礎の場合は、内部が表層から僅かな深さとなる為、要注意
  又、布基礎に比べ重量が大きいので初期沈下の影響が出安い
  当然、面で支える工法なので地盤の影響する部分の深さは、深い。
  
  内部の根切り底は浅く 現状地盤状況では、盛り土なんて事も
  砕石置換転圧で形成するならば良しとしても
  残土で盛り土?
 
  『転圧するから大丈夫』と言う声が聞こえてきそうだけど
  土の転圧ほど難しいものは無いとの経験値から
  許可できないというより設計不可である。(当方の設計の場合)
  ましてコンクリートガラや人頭大の石などを入れるなんて事は? 問題外でしょう。
  石を入れる?建物全体にならばまだしも
  掘ったら出てきたものを一部に入れるなんて事は、
  転圧不良を招き入れているような事ではないのか?
 
  と憤りに近いものを感じつつも 
  何事もない如く着々と進行している。
 
 
  鉄筋工事
  なかなかきれいな組立方
  仕様規定の配筋なのかな?
 
  縦筋にフック無し
  工務店の設計施工ならば当然か・・・・
 
  アレ? 隅部の縦筋 入隅側でなく出隅側に・・・
  住宅の基礎と言えど 配筋の基本は、ビル物と同様
  力学的に考えれば入隅側に配筋されるものなのに・・・
 
  そのいう眼で見始めると内部立ち上がりの配筋
  構造計算したら大丈夫なのだろうか?・・・
  ベタ基礎の場合、内部は高さが低いのでエラーになるケースが多々あるんだよなぁ~
 
  まあ建築士さんがいることだろうから大丈夫?なのでしょうと納得するしかないか
 
 
  底盤打設後 基礎立ち上がり型枠工事
 
  アレ?配管工事いつ工事したんだろ?
  毎日見ていないのでたぶん完了しているのでしょう。

  きちんとアンカーボルトセットしている・・・当然か
  それにしてもHDのボルトの数が少ないなぁ
  隅部だけだ。・・・総2階とすれば仕様規定なのか?
  そう見るとアンカーボルトの間隔も粗い・・・1間の筋交い仕様なのか?
 
  後日 脱型後をみれば、やはりアンカーボルトの間隔が粗い

 
  たぶんあの部分が部屋で壁(耐力壁)だろうな
  何かアンカーボルトの位置が変だ。
  よく見れば単に等間隔に配置されているだけではないのか?
    (ここまで基礎工事が進むと
     この業界に携わっていると1階の間取りは想像可能
     あそこが玄関、水廻りがあそこ と言うように)
  アンカーボルトの有効性を考慮すれば、等間隔に配置はないものなのだが・・・
 
 
 
 
 
 続き・・・・
 
 
  
 設計と監理する者 その2

  アンカーボルトの配置が気になっていたので
  現場に出向くとお隣の現場も見てしまう。
  もしかしたら当方の想像を超えたものが出来るのかもとの期待も・・・


  建て方がほぼ終わり野地板を盛んに大工さんが張っている
  垂木には、きちんとひねり金物が取り付き 
  吹き上げに対しては、大丈夫そう

  総2階だと想像していたが、2階が小さい
  と言うことは、HDアンカーの位置は?である。
  全体の架構とすれば、コスト重視(設計施工なので当たり前の話)
  良く言えば経済的? 悪く言えば構造的にもう少し何とかした方が良いのでは?

  構造材を大きくしたからとんでも無く費用が掛かるわけでもないのに・・・
  細くする弊害を建て主が知るすべもなくか

  屋根工事が始まっていました。
  平板瓦葺き
  今は多種多様 金額もピンキリ 吸水性の無いものをお選び下さい
  セメント瓦系は、お勧めしません と自身に言い聞かせ

  下屋の外壁との取り合いは
  ルーフィングの立ち上げがきちんと確保されている
  ここでは雨漏りがなさそう・・・◎(当たり前です)
 
  外壁は、面材耐力壁のOSB?で通気工法の様・・・
  ますますHDとアンカーボルトの位置が不可解・・・・大丈夫なのだろうか?
  垂木を先行していたので2階部分の面材耐力壁は、カウントされていないだろうけど・・・
 
  総2階でない場合の剛床仕様
  剛床だから・・・・・危険要素もあることをお忘れずに。
  架構を見て、その認識が施工設計者に有ってくれれば良いなと・・・
  外壁は、モルタル+吹き付けの様です。
  モルタルの場合、軒天が先行
  その後 外壁のモルタル塗り・・・・
  軒天先行までは、納得
  破風との取り合い・・・????
  木造の場合、特に水を切ることが大切と思えるのだが・・・
 
  内部までは、さすがに入って見られないので
  外観の一部、外から見える箇所だけで気になることの最後

  この暑い時期にモルタル塗
  施工時期としては、好ましい時期とは思えない。
  そこまで考慮して工程を考えるべきが
  本当の設計と監理する者の立場ではないか?
 
  誤解がないように 
  その現場の批判ではなく
  設計と監理する者の立場により
  それぞれの物事の考え方の相違(設計し監理する者の判断の違い)が有り
  結果としてどの様なものづくりが成されているのか
  少しでも参考になればとの思いから綴ってみました。
 
  隣の現場は、設計施工の様なので
  設計と監理する者は、施工者側の立場です。
  (もしかすると名前だけかもしれないが)
  この様なケースの場合、コストと諸々の審査通過だけが目的となり
  本質の設計と監理が置き去りにされることが往々に起こります。
 
  『諸審査や検査しているから大丈夫?』
  一般住宅の場合の審査や検査は、単なる目安程度のものであって
  本質は、その建物に携わる設計と監理する者に委ねられる事を
  知っている方は少ないでしょう。
  (簡潔に
   ・諸審査と検査は、法等に適合するかどうかで本質の良否の審査ではない。
   ・法等とは、最低限満たさなければならないもの。
   ・最低限を最高位と判断するかどうかは、設計と監理する者の技術力によるもの。
   ・最低限 法等を満足するだけのものづくりの考え方は、
    施工者側の立場の設計と監理する者に多く存在する。
   ・市場経済活動の上でコスト重視指向なので当然の摂理)
 
  よって 建て主側の立場で判断する者が、その様な現場を目にした時
  その設計者に対する違和感を覚えられずにはいられないのです。
 
 
 
  『設計事務所に頼むと設計と監理料が高い。設計施工ならば設計と監理料は安い』
  この言葉 結果的にどの様な質の建物が完成するかという条件を別とし
  設計料というコスト面だけならば、正解。

  この『どの様な質の建物が完成するか』ということが大切で
  『質』の内容は、設計と監理する者(建築士)の手助けがなければ判断出来ないはずです。
  質の判断基準が、その者によって違うので
  選択肢を誤ると建て主の意としない建物が完成してしまう可能性があります。
   (簡潔に
    ・無料・サービス・安いには必ず裏がある。
    ・質の高い設計と監理業務は、サービス等では出来ない。
    ・設計施工の場合、施工者の技術力が建物品質に直結する。
    ・質の高い建物は、設計と施工の双方の質が高い場合に成り立つ。
    ・人柄と技術力は、混同せず別物で判断する。
    ・『知らぬが仏』と『安物買いの銭失い』の本質を知る。)
 
 
  今回、違和感を覚えた事を当方の仕様にすると当然ながら建設費増となります。
  その金額が莫大であるならば、違和感も無いでしょう。
  競争原理が働けば、無いに等しい額と知ったら建て主はどの様に受け止めるでしょう?
  又、そうする事の本質の説明があれば、建て主はどの様な方向性を求めるでしょう?
 
  安くなれば、
  品質や耐震性が劣っても
  構造的に手を抜いても良いなんて
  納得する建て主がいるはずがないのです。
  
 
 
  どの様なケースでも選択権は、建て主にあります。
  良く吟味して設計者と施工者を選択して下さい。

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

| 建事一考 | 08:31 PM | comments (0) | trackback (0) |

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