2017,03,11, Saturday
直下率2
昨年 NHKスペシャルで放送された
『あなたの家が危ない~熊本地震からの警告~』
ある意味 良い報道ではあったものの・・・・
先ずは、
この地震で被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。
又、色々と大変な時期に自邸の資料等を提供して頂き
間接的ながら御礼と共に今後良き住宅が建つ事を切に願うことを
申し上げます。
番組内の一場面
この右の方
村上先生
そして映し出された図面
熊本地震とは全く関係ない
先生自身が研究調査された過去の物件で
信州木造塾で数年前の直下率の計算課題に使われたプランでは?
図面に書かれたピンクのマーカー線が二階壁
赤色鉛筆で二階柱の位置を書いているところ
この課題平面を見た瞬間に
一階のある部分『一カ所』に柱がないと架構計画がしんどい
と感じたプラン
現実その部分に柱はなく
床のクレームが出た住宅とのことです。
その後 構造計算ソフトに入力シーン
ソフトはストラデザインという木造の構造計算ソフト
(信州木造塾で村上先生に訊いたところ
使用されているソフトのひとつだそうです。)
その結果の エラー 『~が~を超えました。』
番組内で放送された倒壊されてしまった住宅 二棟
最初が二度目の地震で倒壊された住宅(A棟)
二棟目が五十田先生と共に写っていた住宅(B棟)
B棟が昨年の信州木造塾 村上先生の課題の元となった住宅
当然のことながら倒壊された住宅のプランを
そのまま使えませんから変更されたプランですが
放送された中でその違いは建築に携わる者であれば
どこが違うか把握することは 難しいことではないはずです。
その課題
一階に『二カ所最低でも一カ所』柱がないと架構がしんどい
一・二階の柱 数カ所移動した方がよりベターと感じたプラン
村上先生の課題は、直下率から連動した
「どの様に架構計画するか」なので
プランの変更無しでしたが
本来、設計段階で意匠変更と架構計画も含め
検討しなければならない事ですよね。
壁の直下率は、60%弱 柱が45%強
一階の耐力壁は、太陽光発電が載っていたので
重い建物で計算すると建基法と耐震等級2の中間位
実際の建物は、壁の直下率がもう少し下がり
柱は、ほぼ同じぐらいかではないでしょうか?
壁量は、実際の建物の方が大きいので建基法相当位かもしれません。
倒壊された住宅は、南面にバルコニーが有り
この部分をどう捉えるかによりますが
ほぼ総二階に近くとても大きな住宅です。
A棟
こちらは、佐藤先生が調査された住宅です。
実際解体調査され
建基法 仕様規定に抵触している事象は見当たらなかったとのこと
壁の直下率は、60%強 柱が55%強
一階の耐力壁は、建基法壁量相当
こちらは、東西に下屋が有り
一階のほぼ中央に二階がある住宅です。
村上先生の課題の様に考えると
一階に『一カ所』柱がないと架構計画しんどいプランです。
上記内容は、佐藤先生の講演での資料を元にしています。
その中で健全だった建物(C棟)
資料があったので計算してみたところ
壁の直下率は、70%弱 柱が70%強
一階の耐力壁は、耐震等級2相当(建基法の1.25倍位)
B棟は北外壁位置が一階と同位置で
この住宅は、南外壁位置が一階と同位置
セットバックの仕方が南北反対という感じで
北側に下屋がある
どちらかというと大きいとされる住宅です。
長くなりそうなので
今回はここら辺で・・・
| 建事一考 | 08:08 PM | comments (0) | trackback (0) |
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