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分数÷分数

 
 ネットの記事から
 
 ダ・ヴィンチニュース http://ddnavi.com/news/204264/

 小学生の我が子が
 「ねー、分数の割り算って、なんで分母と分子をひっくり返してかけるの?」。
 え……ええーーー!? この問い、みなさんならどうします!? 
 「いやーそういうもんだから」
 と言いたいところだが、子どもの将来を考えるならコレは禁句みたいだ。
 
 (中略)
 
 冒頭の“分数の割り算”の概念は、次のとおり。

 「割る数を“1”にすると、答えが導きやすくなります。
 そのために割る数の逆数をかけて、式を変形させます」

 1/3÷2/5=(1/3×5/2)÷(2/5×5/2)
      =(1/3×5/2)÷1
     =5/6
 
 (略 引用終わり)
 
 
 

 
 この記事を読んで
 投稿されたあるコメント
 確かにそうだけれどなぜそうなるのか答えになっていない 
 
 と自身も感じ と同時に
  これ小学生に理解出来るのかな~?
 
 もしその当時の自分だとしたら
 余計 解らなくなる感を否めない。
 又、それ以前にそのような疑問を抱く事はなかった(泣)。

  <<ここからは、自らの 経験に基づく 推察持論>>
 
 「割る数を“1”にすると」(まずこれが解らない)
 (2/5)×(a/b)=1
 a/b=5/2
 これは、算数が出来る子ならば解かると思うけれど
 割られる数にその数字が掛けられている事が解らない。
 理論は、約分に近いだろうけれど
 分数/分数 (イメージ又は、表記すること) は、
 小学校の算数ではないように思える。
 
 ※当方 学校の先生ではないので
  実際 小学校の算数が現在どの程度まで教えているのか知りません。
  あくまで 分数÷分数 までの算数ならば
  との仮定推論で書いています。
 
 概念の式で理解出来るには、
 a÷b=a/b (割り算は、分数)
 =(a×c)/(b×c)=(a÷d)/(b÷d)
 (分母分子に同値を乗除しても同値になる)
 と
 「1」 という数字のなす意味が分からないと・・・(これは算数的感性?)
 
 算数の学びは、足し算→引き算→掛け算→割り算 の順?
 (徐々に桁数が増えたような)
 その都度 計算の仕方(テクニック)を教えられ ドリルを繰り返す。
 桁数が増えれば 面倒くさい作業 
 特に分母に当たる数値の桁数が増えると
 割り算は、特に面倒(電卓なしならば現在も)だった記憶が残る。
 この面倒くさいという感覚が算数を学ぶ上で意外に役に立つ感覚かもしれない。
 「面倒くさい」→「簡単にしたい」→「その方法を探す」
 (良し悪し両者の意味を持ってしまいますが 要領よくコツをつかむ)
 単純な話 暗算で速く解答を導きだせるかどうかのコツ
 
 [当方が小学生?中学生? 
  当時は、クラスの中にソロバンを学校以外(現在の塾みたいなもの)で
  習っている子もいて
  授業で暗算(大した数値ではない)の問題に その子達がやたら速いので
  ソロバンの力は凄いと感じつつも 
  当方も負けず劣らず・・・・・
  授業終了後 
  その子達に なぜ速くできるの?と訊かれ
  逆に 同じ事を問い返したような・・・
  (当方、ソロバンの授業もあった記憶があるものの
   現在まで全くソロバンを使えません。
   皆同じ内容の授業を受け 計算に特別な事をしているとは
   感じていなかったので ソロバンという魔法で簡単になるならば教えて
   逆にソロバンを習っている子から見れば 
   習わずに出来るコツを教えて・・・・・という感じ)
  その後の会話の記憶は、全くないですが・・]

 その暗算という計算過程で鍵となる数値を見つけられるかどうか
 そこに「10」「5」が関わり 
 そして特に「1」が関わると計算過程がどうなるのかに気づくと
 簡単に とは言い難いものの 
 少なくとも算数が楽しいという方向になるような気がします。
 
 
 たとえば
 九九の暗記 全ての段を暗記した後 
 全ての段を並べて 何を見つけられるか
 ・一の段 1×a=a そして他の段 c×1=c(1を掛けても答えは同じ)
 ・a×b=b×a(掛け合わせる数値が同じならばどちらから掛け合わせても同値になる)
 ・
 ・
 欲張ると後の学びの前に
 ・a×9+a=a(9+1)=a×10 → a×9=a×10-a=a(10-1) 
  (9を掛けた数値に掛けられる数値を加えると掛けられる数値×10となる
  → 9を掛けた数値は、掛けられる数値×10から掛けられる数値を引いた値となる)
 ・
 ・
 等々
 何でも良いのです。
 
 さらに先の算数(数学)を学んでいる大人にとっては
 すごく当たり前なことですが
 初めて学ぶ小学生にとっては、基本を知り
 数字の特性を見つけ
 加減乗除の関連を結びつける何かを見つけられること
 その見つける力が算数的感性を身につけることに繋がるのかもしれません。
 
 
 整数の加減乗除を学んだ後 
 分数という新たなものの登場となり
 約分、通分 
 分子が分母より大きい分数を1と分数数値なんてのも・・・
 そして分数の加減乗除 
 それぞれの計算の仕方を学んだ記憶
 
 当方、計算に於いては、つまずくことなく
 どちらかというと優の仲間に含まれていました。
 ところが
 文章問題となると基本となる乗除を理解出来ず ことごとく不正解
 (当時は、自信持って解答したのでさらに手に負えない状態
  つまり 丁寧に教えてもらっても解らない状態
  しかし 間違いは、間違い
  そして
  なぜ出来る人がいるのに 自分は、出来ないのだろう+劣等感)

 それは、
 算数(算術計算力)以前の読解力不足によるもの
 aのbがc(掛け算)
 と
 aがbのc(割り算)の違いが理解出来なかったのです。
 (補足 
  cは、導く答えです。
  aのbがcの問題例
  私はお金を1000 円持っています。友達のお金は私の2/5です。
  友達のお金は何円ですか
  aがbのcの問題例
  私はお金を1000 円持っています。そのお金は私の貯金の2/5です。
  私の貯金は何円ですか)
 どのような方法で理解したか?
 言葉で表現すると『aのbがc=cがbのa』
 求める数値が前者は、c で 後者は、a のだけ違い・・・
 分数から後に続く割合とか比率の学びに於いても
 aのbがcとaがbのcの違いを文章の中から読み解くことが出来なければ
 数値の表現の違いだけとは気づかず同じ挫折を繰り返したでしょうね。
 
 小学生には、経験の中に分数で割るということがないので
 文章問題の分数で割り算する事は、頭の中で計算の流れを
 うまく組み立てることは中々難しいと思います。(当方の経験では)
 又、分数の基本を見つけることを分数という表記が難儀しているかもしれません。
 
 分数の基本は、
 a÷b=a/b (割り算は、分数)
 a<bの場合 (a/b)<1
 a>bの場合 (a/b)>1
  (分子が分母より小さい分数は、1より小さい数値
   その逆
   分子が分母より大きい分数は、1より大きい数値 )
 
 a/b<1の場合 
 c×(a/b)=d c>d
  (掛ける数値が1より小さい場合の答えは、
   掛けられる数値より小さい数値となる)
 c÷(a/b)=d c<d
  (割る数値が1より小さい場合の答えは、
   割られる数値より大きい数値となる)
 と思います。(大人にとっては、至極当たり前)
 
 これが整数の加減乗除の積み重ねで学んだ感覚と真逆となることが
 分数を理解することの難しさと思います。
 整数の場合は、掛けると数値が大きくなり 割ると小さくなるので
 求める数値が大きいならば掛ける 逆ならば割ると
 短絡的な論理を展開する戒めが文章問題といえるかもしれません。
 そして文章問題で導く答えが
 元となる数値より大きいか小さいかは、最もポイントとなる事であり
 文章を理解し 数値の意味する所を理解しなければ出来ないことと思います。
 (当たり前の事ですが)
 
 小学生の頃の自身の論理を振り返ると
 例題1
 1/5 mがaグラムの時 1 mは何グラムでしょう?
 という問題の答えは、
 a×5=5a
 なぜaを5倍したの? 
  → 1mは、1/5mが5つ集まった数値だから
    (実は、1÷(1/5)=1×(5/1)=5を計算している事に気づかない)
  → 1m=(1/5)m×5=5/5m
 この論理は、至極当たり前で 1/5を1=5/5にするにはどうするか
 からスタートしています。
 
 例題2
 2/5 mがbグラムの時 1 mは何グラムでしょう?
 先の論理と同様とすると 2/5を1=5/5にするには?
 となり
 1/5を1=5/5にすることは解っているので
 2/5を1/5にする計算をして5を掛ければ良いと導き出されます。
 2/5は、1/5が2つ集まった数値なので2で割れば良いので
 1m=[(2/5)m÷2]×5=(1/5)m×5=5/5mとなり
 →答え
   b÷2×5の計算値
   (b÷2 で1/5mの重さを求め ×5 で1m重さ=答え)
  
 上式の bを b×1 (b=b×1)とすると
   (なぜ 1という数値を入れるのか?
    →乗除の場合 1を入れても答えが変わらないこと
      又、式の内容を理解しやすくする為
   (なぜ b÷1としないのか?
    →割り算は、左から順番に数値計算する原則
      つまりb÷1が優先される為 後に続く数値を先に計算出来ない
      可能性が存在する
      しかし掛け算だけの場合は、掛ける順番に答えは左右されない
      故に掛け算だけの式にした方が計算しやすくなる
      →分数表示が役に立つ)
 b×1÷2×5 という式になり
 割り算は、分数なので
 1÷2=1/2 でさらにその式は、
 b×(1/2)×5 となり
 掛け算は、どのような順番で掛け合わせても同じ数値になることから
 先に (1/2)×5=5/2 を計算し
 結果 b×5/2=b÷(2/5)
 となりますが
 そこまで小学生の頃の知識で読み解くことはかなり高度ですね。
  (当方には出来ませんでした)
 
 横道にそれた例題3
 bグラムが合計重量の2/5 の時 合計重量は何グラムでしょう?
 答えは、例題2と同じになりますが
 先の論理との違いは、2/5に対応する数値が問題にないことです。
 2/5に数量単位が消えたことにより割合を示し
 合計重量に対応する数値が1=5/5であるということは
 大人にとっては常識の範囲と思いますが
 分数が割り算でありかつ割合を示していることを
 学びの直後に理解することは当方にとっては難儀でした。
 文章問題を解く上で大切とされることが文章の内容を図化することにより
 解法を導き出すとは、よく言われますが
 割合を理解出来ないと図化することがまず出来ません。
  (2/5の意味 5等分されたものの2つという図化が出来ない)
 しかし、それが理解出来なくとも答えは導き出せます。
 その場合の論理は、
 まず問題の内容を理解することが第一
 bグラムが合計重量の2/5ですから
 合計重量の2/5がbグラムと解釈出来ます。(掛け算の論理)
 数式で表すと
 合計重量×(2/5)=b となります。
 2/5=2÷5 ですから
 その式は、
 合計重量×2÷5=b となります。
 (合計重量に 2を掛けて5で割った数値がbとなる)
 掛け算と割り算の関係が理解出来ていれば
 □×2=d → □=d÷2
  (ある数値に2を掛けた時 dになった場合
   ある数値は、dを2で割った数値となる)
 □÷5=e → □=e×5
  (ある数値を5で割った時 eとなった場合
   ある数値は、eに5を掛けた数値となる)
 合計重量は、bを2で割り5を掛けた数値と導き出されます。
 合計重量=b÷2×5=b×1÷2×5=b×(5/2)
 
 例題4
 2/5 mがbグラムの時 1/3 mは何グラムでしょう?
 先の流れと同様とすると 2/5を1/3にするには?
 となります。
 この場合二通りの道筋が存在し、どちらも誤りではありません。
 ひとつは、互いの違いを解りやすくする為 通分する方法
  (2/5=6/15 を 1/3=5/15 にする方法)
 二つめが 1/3=1÷3 に着目し
 1m重さを3で割った数値になるという方法
 
 後者の導き出し方が算数的かな?
 (計算の基本は、整数で小さな値での計算が楽 特に1を利用する)
 という事で答えは例題2の流れの
 b÷2×5の計算値を3で割った数値
 →答え
  b÷2×5÷3の計算値
 → =b×(5/2)×(1/3)=b÷(2/5) ×(1/3)
 
 
 記事の話に戻り
 (1/3)÷(2/5)=□ とすると
 例題3のような論理
 □×(2/5)=1/3 
  (1/3を2/5で割った数値が□ となるならば
   □ に2/5を掛けたら1/3となる)
 2/5=2÷5なので
 → □×(2÷5)=□×2÷5=1/3
   (□ に 2を掛けて5で割った数値が1/3となる
 →1/3を2で割り5を掛けた数値が □)
  □=(1/3)÷2×5
   =(1/3)×1÷2×5
   =(1/3)×(1/2)×5
   =(1/3)×(5/2) =(1/3)÷(2/5)
 よって分数の割り算は、逆数にしての掛け算となる。
 
 なぜそのままの式を2/5=2÷5とし代入しないのか?
 (1/3)÷(2/5)=(1/3)÷(2÷5)=(1/3)÷2×5
  (計算式で( )内に割り算があり、
   その前に割り算がある場合( )を外すと掛け算となる)
 となることは、大人が解っていても小学生には理解出来ないと思う。
 式の変形は、掛け算を基本とし導き出すことが分かりやすいと・・・
 
 
 機会あって大学の頃、小学生の家庭教師の経験と
 自身の算数考察から綴ってみました。
 
 
 
 その経験の中で
 前もって何が解らないのか が解れば方策を見つけることも可能
 しかし、その場に於いて突然 質問されて小学生に教える
 これほど難易度か高いものはないと今も記憶に残ります。
 
  速度を用いた算数
  大人は、未知数Xを用いて解法
  使用出来ない小学生の場合の教え方
  単に算数の基本だけで・・・(難)

 座右の銘と言ってもいい程記憶に残る言葉があります。
 高校一年の時、数学の先生が授業中に言った言葉
  『解らないことが解らないから 解らないの二乗でさらに解らない
   解らないことを解ることが最初の一歩
   解らないことが解れば それだけを学べば良い』
 
 教える立場になった時、学ぶ側の解らないことが解らないと
 何を教えていいのか解らないことを実感した時でした。

  
 ここまでは、算数の戯れ言
 
 
 相手に簡単に判りやすく説明する行為は
 建築設計で頻繁に行われている行為と思っています。
 どの業界も専門用語で話が出来れば簡単なことですが
 それでは、一般の人に意図する基本が伝わりません。
 いかに伝わりやすい言葉を選択し、納得してもらうこと
 
 何気にこの記事の内容に似ていると感じてしまいました。
 分数の割り算は、逆数の掛け算 は、
 簡単に説明していますが 本来の基本の説明ではなく
 方法の説明です。
 得てしてこのような説明が建築業界でも多用されているような気がします。
 
 昨今の住宅建築は、それぞれの分野が数値を用いて詳細化され
 数値が一人歩きする可能性があり
 『木を見て森を見ず』に陥りやすくなっていると感じます。
 仕様と共に
 なぜそうするのかの基本を簡単な言葉で説明出来る知識と能力を
 得ることが建築の深い学びと考えます。
 住宅建築とは、
 山を見て森を知り木を創る(逆も然り) という感じですかね?
 
 
 
 
 
 
 
 
 

| 戯れ言 | 07:27 PM | comments (0) | trackback (0) |

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