2013,12,30, Monday
耐力壁3
建築基準法の壁量は、耐震等級1?
建築基準法(以下基準法)は、最低限を示した法で
それ以上の仕様は、個々の自由となっています。
本来であれば、建て主側に選択権があるはずですが
設計・施工者に委ねられ 曖昧な領域でした。
そこで建て主にとって取得する住宅が
どの位のレベルであるか 数値にして判りやすくしようと
品確法ができました。
その中の耐震性は、等級1~3という数値に分類されています。
等級1は、基準法程度
等級2は、中地震・大地震の力の1.25倍対し 中地震損傷防止・大地震倒壊防止
等級3は、中地震・大地震の力の1.50倍対し 中地震損傷防止・大地震倒壊防止
(等級3は、壁量下限値が決まっているだけで上限はありません)
となっています。
実際の地震被害の調査により
1.25、1.50という数値は、導き出されたらしいです。
1.25倍で倒壊した住宅がなく 1.50倍あればまず倒壊しないだろう・・・
という感じですかね?
長期優良住宅の耐震等級2の設定もここら辺からかな?
この等級イメージからすると
等級2、3は、基準法の壁量のそれぞれ1.25倍、1.50倍
となる感がありますが
実際は、ある意味で全く違うと感じています。
(本来 そうならなければならないと思うのですが・・・)
その基準法の仕様規定との違いを・・・
1.基準壁量
品確法には等級1の規定が無いので(基準法となってしまうと言う意味で)
等級2から想定すると
単純ではないですが 基準法の壁量の2~3割増しとなり
さらに、壁量を決定する床面積の算定方法がより詳細となっています。
(床面積=建物重量(=地震力)に反映されるので当然といえば当然ですが・・・)
以前から基準法の壁量では危ないので2~3割増した方が良い
と言われていたことの反映ですかね?
2.1階と2階のバランス
品確法には、基準壁量を1・2階の面積比により増減させています。
簡単に言うと 2階が大きい程1階を割り増し
2階が小さい程 2階を割り増しさせています。
なぜそうするのか 2質点の振り子で試せばわかるかな?
振り子のイメージを(左が上 右が下 ◎は、質量が○<◎)
|―○―○(1階=2階)
|―◎―○(1階>2階)
|―○―◎(1階<2階)
とすると
振り子が垂線(この絵では水平)に対し 振れ幅が大きい方を
壁量を割り増すということなのですが・・・
(この説明では、判らないですね(泣笑)
そんな感じだと言うことで詳細は省略)
この割り増しは、基準法にはありません。
どの様な場合でも同基準壁量です。
この割り増し数値がどの様に導き出されているのか判りませんが
許容応力度計算(以下構造計算)時に確認する1・2階の剛性率を加味した
壁量の簡略計算と推察します。
木造の場合 バランスが大切と言われていますが
壁量計算に追加された1/4計算は、平面的バランスの検討規定
立面的バランスは、基準法では検討規定がありません。
3.水平剛性
基準法には、水平構面の検討はありません。
木造は、耐力壁が壊れる前に他の部分を壊さないが
基本とされていると思うのですが・・・
構造計算時 想定水平構面で 屋根-小屋面 エラーが出ること度々、
屋根の下の大きな空間は、注意が必要と感じていますが
基準法では、検討なしでも良いとされています?
4.準耐力壁
品確法で採用されたものと認識しています。
都合の良い部分だけを採用し易いので
個人的には、建物余力とし、
危険側に作用する事項だけ検討さえすれば
本耐力壁だけで満足させた方が良いと感じています。
(水平力に対する1/3が建物余力という当方の過去の脳内産物かも?)
品確法には、その他にも検討事項がありますが
なぜ 基準法の仕様規定との差が大きいか
不思議に思うことを・・・住宅性能評価申請を推奨する
意図は全くないのであしからず。
そこで勝手な結論
基準法の壁量 ≠ 耐震等級1 の可能性が高いで・・・・
今日は、ここまで
つづきは、後日
| 建事一考 | 07:15 PM | comments (0) | trackback (0) |
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